トランス脂肪酸が含まれる食品と影響、危険性とは?

 アメリカ食品医薬品局が、トランス脂肪酸の発生源となる油を食品に使用する事を2018年以降原則禁止すると発表して以降、トランス脂肪酸と言う言葉を良く聞くようになりました。

 オーストリアは2009年、スイスでは2008年、そしてデンマークでも2003年に、国内でトランス脂肪酸を2%以上含んだ油脂の流通を禁止しました。では日本はと言うと、2015年6月現在、表示の義務化を検討し始めただけで、規制する動きはありません。

 トランス脂肪酸とはどんなもので、どんな食品に含まれていて、どんな影響や危険性があるのでしょうか?。

スポンサードリンク

トランス脂肪酸とは

 トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種で、自然には牛や羊と言った反芻動物(一度胃に送った食べ物を、再び口に戻して咀嚼する動物)に微量存在します。

 その他植物油や魚油から半固体、又は固体の油脂を製造する工程で。また、植物から油を絞る際に臭いを取り除くための高温処理によっても生成されます。

 そして、油を高温で加熱している時も発生するため、油で揚げた食品にも含まれます。
参考:トランス脂肪酸 – Wikipedia

多く含む食品

 トランス脂肪酸を多く含む3大食品は、マーガリンとファットスプレッド、そしてショートニングの3つです。

 その他にも牛肉、羊肉、それらの乳製品に含まれます。農林水産省のサイトによると、特に含有量の多い食品と、その含有量は以下の通りです。

食品名
含有量(g/100g)
 マーガリン  0.94~13
 ファットスプレッド  0.99~10
 コンパウンドクリーム   9.0~12
 コーヒークリーム  0.011~3.4
 バター  1.7~2.2
 牛脂  2.7
 食用植物油  0.0~1.7
 生クリーム  1.0~1.2
 プロセスチーズ  0.48~1.1
 輸入牛(サーロイン)  0.60~1.2
 牛(ハラミ)  0.79~1.5

出典:平成18・19年度調査結果(穀類加工品、豆類加工品、肉類、乳類、油脂類、菓子類、調味料・香辛料類):農林水産省

 これらの食品を多く使う洋菓子や揚げ物(フライドポテト、ドーナッツ、スナック菓子等)も、当然含有量が多くなります。

 特にショートニングは揚げ物に使用するとサクサクした食感になるため、フライや唐揚げ、そしてクッキーやビスケットなどの焼き菓子等に。更にアイスクリームへの添加や、パンに練り込んで使われるなど、広く利用されています。

 そのパンに含まれる量(g/100g)は食パンで0.030~0.32、ロールパンで0.14~0.47程度ですが、バターを使うクロワッサンは0.29~3.0と高くなっています。

 また、揚げ油を何度も使っていると、トランス脂肪酸が生成され、その濃度が上がっていきます。

 マーガリン、バター、生クリーム、牛肉、そしてフライドポテトにドーナッツ、スナック菓子。これらをよく食べる人は要注意です。最近アメリカから上陸したクロワッサンドーナッツも、かなり危険な食べ物と言えます。

健康への影響

 トランス脂肪酸は体内で代謝されにくく、善玉コレステロールを減少させ、悪玉コレステロールを増加させます。結果

・動脈硬化
・心臓疾患
・ぜんそく
・アレルギー
・アトピー性皮膚炎
・不妊(男女とも)
・流産
・胎児の体重減少
・認知症

 等の危険性が高まると言われています。

 そのため、世界保健機関(WHO)では、トランス脂肪酸の摂取量を総カロリーの1%未満にするよう勧告しています。

 アメリカ人の平均摂取量は総カロリーの2.6%との調査結果があり、その量はさらに増える傾向にあると言われます。

 これに対して日本人の平均摂取量は0.7%以下にとどまります。このため厚生労働省は、健康への影響は小さいとして、現状では規制の必要無しと判断しています。

 しかし、菓子類や揚げ物、ファーストフードばかりの偏った食事をしていると、アメリカ人並みの摂取量になる恐れがあり、十分に注意が必要です。

妊婦、赤ちゃん

 妊娠を考えている方、妊婦さん、そして授乳中の赤ちゃんがいるお母さんは特に注意した方が良いと思われます。

 トランス脂肪酸は男女ともに不妊の原因となり、妊婦中には流産や胎児の体重減少、そして母乳を通じた乳児へのトランス脂肪酸の移行も確認されているからです。

トランス脂肪酸の対策

 トランス脂肪酸を全く摂取しない、と言うのは現実的ではありません。なるべく摂取しないように注意するしかありません。

 対策としては
・マーガリンを使わない(バターなら含有量が1/5程度)
・洋菓子より和菓子
・牛肉より鶏肉や豚肉
・揚げ物を控える
・ファーストフードを避ける
・揚げ油を何度も使わない

 ただし、和菓子でも最近は生クリームやバターを使う物があり、和菓子なら何でも良いと言うわけではありません。

 また、同じ油でもトランス脂肪酸を含まないオリーブオイル(エクストラバージンオイル)、キャノーラ油(なたね油)、米ぬか油、ピーナッツ油、マカデミアンナッツ油を使うようにしましょう。

 なら、トランス脂肪酸を含まない油なら安心なのかと言うと、油脂類の取り過ぎはそれ自体が健康に悪影響があります。健康のためには脂っこい物は控えた方がいい、そうすればトランス脂肪酸の摂取量も減る、と言う事です。

まとめ

 トランス脂肪酸は
・反芻動物の肉、乳製品に微量含まれる。
・個体、半固体の油脂を加工する際に発生する。
・油を高温で加熱すると発生する。
・摂取量が多いと生活習慣病、アレルギー、不妊等の危険性が高まる。
・日本人は摂取量が少なく、影響は小さい。
・対策は、油っこいものを控える。

スポンサードリンク

この記事が役に立ちましたら、1日1回クリックを。
ブログランキング・にほんブログ村へ
または、SNSで共有して頂けると励みになります